22.10.2020 | トピックス

PBスイスツールズはハイパーループ競争の最前線で活躍

バーゼルからローマまでの地上距離を1時間以内に踏破 ― これはイーロン・マスク(Elon Musk)が推進するハイパーループ構想の目的です。その実現に向けて、世界中の企業や大学がそれぞれのプロジェクトに取り組んでいます。革新的なこのビジョンに魅了されたPBスイスツールズは、ETHチューリッヒ(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)の学生で構成される、意欲あふれるスイスチームを支援し、同チームに精密工具を提供しています。テクノロジーにおいても職人技においても最高の性能を備えたスイスループ・ポッドは、前回の国際ハイパーループ・コンテストで2位を獲得しました。そしてこの度、今年のチームが、重要な最適化を施したポッド2020をスイス・イノベーション・パークで紹介しました。

スイスループ ― ハイパーループへのスイスの大きな貢献
アイディアはいとも簡単。モノとヒトをカプセルに載せ、抵抗力のない真空に近いトンネルの中を時速約1000 kmで輸送するのです。気送管に似た原理です が、いざ実行に移すとなると、かなりの難問です。重量、性能、制動力の比率を最適化し、高速でも安定性をしっかりと確保しなくてはなりません。また、最後には駆動技術が重要テーマであることも明確になりました。重要なことは、すでに実証済であると思われていたことを全く新たな思考で考え直し、性急な(表面的な)解決策に惑わされないことです。ここにはPBスイスツールズの革新哲学との明確な類似性があり、これもまた、当社がこのプロジェクトに惜しみない支援を送ろうという大きな動機になりました。

LIM – 目先の成功よりも長期的な将来の目的を
スイスループチームは他の参加チームのように、従来の電気モーターを用いて、達成するのも消えるのも早い成功を目指すことはせず、すでに2019年、長期的に活用できる、独自のリニア誘導モータ(LIM)を開発することにしました。イーロン・マスク革新賞の受賞やLIM駆動ポッドの最高速度を記録したことが、この未来に目を据えたコンセプトの正しさを如実に物語っています。移動磁界をベースとした駆動システムは、散発的ではあるものの、今すでに遊園地の最新式の乗り物に使用されています。しかし、時にこの遊園地のジェットコースターと同じようなアップダウンを交えた、非常に複雑な非接触式のポッド駆動の開発プロセスを経て、EHTチームのLIMは今、技術的に全く別のレベルに達しました。なぜなら、スイスループチームの2020ポッドは、前バージョンの2倍の最高速度を出せるようになったからです。そして、この未来のテクノロジーの完璧化を目指して、すでに後継チームが形成されました。そこで再度起用されるのがPBスイスツールズの精密工具です。

ESDビットホルダー(静電放電対策仕様)からデジトルクV02(デジタルトルクドライバー )まで ― PBスイスツールズは全品取り揃えてスタートへ
ポッドプロジェクト用の工具には、特殊かつ非常に高い要求が課されます。エレクトロドライバーには、ネジの形状別に符号化された回転式のキャップがついています。これは調節ネジを非常に厳密に調整する際に役立ちます。スリムドライバーは最大1000Vまで完全絶縁されており、部材や部品の隙間が非常に狭くても精密な作業を行うことができます。また、大きさ別に色で符号化した六角棒レンチも機械工学チームから特に高く評価されています。頭の部分は丸く、極端に短い棒の部分は100度の角度に曲げられているため、非常に緻密な配列のコンポーネントになると、このドライバーを用いないと組み立てることができません。また、ネジの締めつけの際には、希望のトルク値を繰り返し正確に再生できるため、アルミニウムやカーボン、あるいはプレクシグラス等、種々の扱いにくい素材を使用する際にも、デジタルトルクハンドルV02は常にチームの手元にある、頼れる工具となりました。機械工学チームが特定の工程で必ずPBスイスツールズのESD工具を使用していることに、電気工学チームの仲間はこの上なく感謝しています。

コンテストにはポッドかベイビーポッドか ― 不十分な仕様がもたらした革新力
しかし、大学の学年が変わってバトンタッチをする際、次回のコンテストに向けた正確なガイドラインがない場合はどうするのでしょうか?新しい距離は10km?そこには曲がり角もある?2019年12月、スペースX・ハイパーループ・ポッド・コンテストの新しい仕様は依然として示されていませんでした。そのとき、並外れた革新精神を持つスイスループチームは、勇気ある一歩を踏み出すことにしました。曖昧なガイドラインに基づいてコンテスト用ポッドを組み立てる代わりに、基礎研究目標やコンポーネント開発、システム検証という独自の目標を追いかけたのです。その結果、愛情を込めて「ベイビーポッド」と名付けられた、十分に機能性を発揮するミニサイズのプロトタイプが誕生しました。ここでは、まずシステムを個々に作って後から複製して増やし、プロトタイプのポッドをコンテスト用のサイズまで大きくするという機転の利いたアイデアが採用されました。このようにして、一貫したモジュール式の開発を行ったのです。この方法だけを見ても、従来の枠を外れた革新精神が感じられます。これはPBスイスツールズも一貫して追い求めている革新精神です。

「電気工学」対「機械工学」 ― 課題を分担して結束
多くの技術上の難問と目標に掲げたモジュール構築方式を考慮した結果、2組の能力別チームが結成されました。 一つはLIM、インバーター、制御、センサー、バッテリーなどの電気系統を受け持つチーム、そしてもう一つは離着陸装置、ブレーキ、シャシー、フェアリングなどの機械コンポーネントを受け持つチームです。この戦略によって、前モデルに意義深い改善が施されました。機械工学面では、リブ構造の構造重量を11kgから2.5kgに軽減、また革新的なニューマティック・システムによりブレーキ効率も40%向上しました。電気工学チームは、インバーターおよびLIM制御用、そして個々のシステムコンポーネント間の交信用として、3万ものコード行を用いた新しいタイプのソフトウェアを開発しました。さらに、部分的に極度に小型化され、洗練されたセンサーが、各稼働時刻を完璧に制御します。このシステムは全体が非常に複雑であり、リニア誘導モーターの機能のしかたをシミュレートするだけでも、ETHチューリッヒの高性能コンピューターを使った処理に148日間を費やしました。普通のコンピューターでこの計算処理を行っていたら、たっぷり17年はかかったはずです。

ループ は前進あるのみ ― テクノロジー・プロジェクトは終わりを知らない
フォーミュラ Eの女性レーシングドライバーで、スイスループ・ポッド2020命名のゆかりの人でもあるシモーナ・デ・シルベストロ(Simona de Silvestro)は、発表イベントで成功要因の一つについて、快活に次のように語りました。「ヘルメットをかぶり、精一杯頑張ったから!」。革新プロジェクトを確固として推進していくためには、これも確かに大事なことです。しかし、この「スイス・ルーパーズ」 ― スイス・イノベーション・パークのディレクター、ルネ・カルト(René Kalt)が愛嬌たっぷりにETHチームメンバーにつけた名前 ― を実際に体験した人は、このチームが、その学生らしい情熱と極めて精巧な科学性で、ハイパーループ・プロジェクトをさらに飛躍させることを確信するはずです。このことが特に明白に表れているのが、試運転の複雑な工程です。最終的に、こうして厳しい作業が報われるのです。チェックリストがルーティンになり、カウントダウン作業も行っているこのチームは、緊張感やプロ精神という点においては、ロケットの発射プロジェクトにも劣りません。そして、テスト走行路の傍らにいつも置いてあるのが、チームの愛情を勝ち取ったPBスイスツールズの工具です。なぜなら、完璧化すべき物はいつも必ず存在するからです。

スイスループについて:
スイスループは真空輸送テクノロジーの研究とより高度な開発、およびその応用の促進を目的とする学生協会です。この新しいタイプのシステムは、ヒトとモノをより効率的、より迅速に輸送する可能性を秘めています。このような新しい輸送手段の具体化に貢献するため、スイスループは「ポッド」と名付けられた輸送カプセルのプロトタイプを開発、構築しています。スイスループはまた、このテクノロジーが持続的な輸送を行う日常と未来にもたらす影響を社会に気づかせ、広めていくに違いありません。

写真提供: スイスループのダニエル・ヴィンクラー(Daniel Winkler)、ETHおよびリーナス・フォリーニ(Linus Folini)、スイスループ

 

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